6月前半の某日。
渋谷にある東急シアターオーブへ母を連れていってきました。
お目当ての公演は宝塚。
大好きな、星組の礼真琴さん主演『BIG FISH(ビッグフィッシュ)』です。
わたしは映画やブロードウェイミュージカルは観たことがなかったので、今回の公演がまったくの初見です。
https://kageki.hankyu.co.jp/sp/revue/2024/bigfish/index.html
著作権の関係で配信や円盤化をしないとのことで、しっかり目に焼き付けなければ!と、いつにない集中力で観劇してきました。
母は足を悪くしているので、座椅子付きのカートと杖を駆使してゆっくりゆっくりの歩み。
正直、渋谷まで無事辿り着けるかも心配でしたが、なんとか行って帰ってくることができました!
前夜はわたしのマンションに母に泊まってもらい、翌朝は駅までタクシーで。
夫が張り切ってお味噌汁や炊き込みごはんを朝早くからかいがいしく準備してくれました。
とはいえ、炊き上がりが遅くなって炊き込みごはんは食べる時間が取れず。
慌てて『あちちあちち』などと言いつつおにぎりにしてくれたものを持っていくことになりました。
JRではグリーン車を選択したのですが、通勤時間帯のグリーン車はやはり混雑。
窓側のひとつだけ空いていた席に母を座らせようと、通路側の席に座っていたサラリーマン風の若い男性に『奥よろしいですか?』と声をかけたら、乱暴に立ち上がり、持っていたPCを席に叩きつけて舌打ちをされました。
朝だからかイライラしていたんでしょうけど、ちょっとびっくり。
そしていくら電車の椅子は硬くないといえど、PCは叩きつけない方がいいと思う。
そのあとは、地下鉄への乗り換えで段差にやや手こずったものの、スムーズに渋谷へ。
地下鉄に乗り込んだ際は、何人もの方が席を譲ろうと一斉に立ち上がってくれてありがたかったです。
ヒカリエの11階にエレベーターで上がると、カートを押す母に気がついてささっと係の方が寄ってきてくださいました。
「ご観劇ですか?」と聞かれたのでチケットを見せると、専用のエレベーターでロビーまで案内されました。
その後も、バリアフリーのお手洗いへの誘導や席への案内など、終演後まで幾度となく気配りをいただいて「宝塚の劇場も対応いいなと思ってたけど、オーブはそれ以上にすごい! ありがたいね」と母も大感激。
前にオーブに来たのはもう10年前の2014年。
アダム・クーパー主演の『雨に唄えば』を、やはり母と観に来て以来です。
その頃の母は足を痛める前で、わたしより歩くのが早いくらいだったので劇場内の階段もものともしませんでしたが、今回みたいな立場になって改めて気づくこともたくさんでした。
劇場の作り自体は階段だらけなので、スタッフの方の対応のきめ細やかさがより際立ちます。
本当にありがたかった!
そしてそして。
待ちに待った『ビッグフィッシュ』。
こっちゃん(礼真琴さん)はいつも想像を超えてくるのですが、今回もあらすじを読んで想像していた素晴らしさを軽く飛び越えてきました。
若い頃と老年(と言っても息子がまだ若そうだからそこまでは老いてはいないはずだけど)時代を行ったり来たりするのですが、話し方も立ち方も、すべてがガラッと変わるので、スイッチの切り替えすごいなぁ……と感心しきり。
歌やダンスが素晴らしいのはもちろんのこと、観るたびに魅力もアップしているような。
他のキャストもみんな素晴らしくて、自然にストーリーに惹き込まれていきました。
人魚や魔女も登場するファンタジー色の強いお話なのですが、親子の愛や夫婦の愛、ひいては生き方についてなど、いろいろなことを考えさせられます。
1幕最後のプロポーズ場面でのデュエットは、ぱあっと一面が黄色い水仙の花で埋め尽くされてとても綺麗でした。
幕間には、係の方にご案内いただき2階ホワイエの『THEATER BAR』へ。
母の希望でスパークリングワインを購入しました。母にはドーナツも。
2幕も堪能し(泣ける……!)、終演後は余韻に浸りながら、ヒカリエのおすしやさんでお寿司をもりもり食べて帰りました。
「おすしってお腹すいてなくても食べられちゃうのよねー」とにこにこの母。
歳をとっても元気でいる秘訣はやはりしっかり食べることなんだなぁ……と実感です。
次の宝塚観劇は、星組本公演の『記憶にございません!』かな。
また母にもがんばって歩いてもらわなきゃ!