3月から4月にかけて咲く春の花といえば、桜はもちろん、菜の花も。
子どもの頃に読んで印象に残っている、山村暮鳥の
いちめんのなのはな
いちめんのなのはな
いちめんのなのなは……
の詩の影響もあるのか、一面に広がる菜の花畑には今もちょっとした憧れがあります。
そんな“菜の花のじゅうたん“が見られる場所が近くにあると聞いて、さっそく出かけてきました。
場所は江戸川沿いのサイクリングロード。市川と松戸の境あたりだそうで、自転車で行けそう!と、市川駅でシェアサイクルを借りて向かうことにしました。
川沿いの道に出て松戸方面に自転車を走らせていると、やがて目の前に黄色い花の群れが現れました。
さらに進むと、左右ともに菜の花に囲まれるように。
走っても走っても、ずーっと菜の花が続いています。
「え、これどこまで続くの……?帰れる……?」と、ちょっと不安になるほどの長い距離が、黄色い景色に染まっていました。
途中には桜が咲いている場所もあって、バーベキューやデイキャンプをしている人たちで賑わっているエリアも。
小さな舟が見えたので自転車を停めて川縁まで降りてみると、演歌でも有名な『矢切の渡し』の発着場でした。好奇心に駆られて乗り場の方へ近づいたら、係の方に「乗らないなら近づかないでね〜!」と声をかけられてしまいました。
この日は時間が合わず乗れなかったけど、機会があれば対岸の柴又まで渡ってみたいな。
これまで、菜の花畑を求めて遠出したこともありましたが、まさか家から自転車で行ける距離に、こんなに素敵な“いちめんのなのはな“があったとは。
来年もまたここに来よう、と心に決めて、長い道のりをうれしい気持ちで自転車を漕いで帰りました。