早春の三重旅行①の続きです。
翌朝は早めにチェックアウトして伊勢市駅へ向かいました。
泊まっていた鳥羽のホテルは素泊まりだったうえに、近くに朝食をとれるお店もほとんどなかったため、朝ごはんは外宮の近くで食べようと決めていたのです。
伊勢神宮は外宮(げくう)と内宮(ないくう)をメインとした125社から成り立っていますが、「外宮先祭(げくうせんさい)」といって、まず外宮から参拝するのが慣わしだそうです。
伊勢市駅を降りると、すぐに外宮参道が見えてきます。ここで朝ごはんをいただくお店を探すことにしました。 朝粥で有名なお店も覗いてみましたが、すでに受付終了。どうやら朝早くから並ばないと入れないようです。
どうしようかなぁ、と思いつつ歩いていると“朝ごはん“の文字が目に入りました。
気になって近づくと「ココット山下」という小さなお店。
中に入って尋ねてみたところ、カウンター席なら案内できるとのことでした。
温かい白湯をいただきながら待っていると、驚くほど品数の多い朝ごはんが登場。どのお料理も丁寧に作られていて、思わず「すごい……!」と感嘆してしまいました。
アオサがたっぷり入ったお味噌汁に、レンコン入りのハンバーグ。柑橘の爽やかさが加わったキャロットラペ、カレー風味の豆、ひじき、半熟の味付け卵、黒胡麻ダレがかかった小松菜、きくらげ……などなど。 どれも滋味深くやさしい味わいで、心も体もほっとする朝食でした。こんなにちゃんとした朝ごはんが食べられるとは思っていなかったので、嬉しい驚きです。
店内にはカウンター席のほか、テーブル席が2つ。 わたし達の後から来たお客さんは、どちらも予約をしていたようです。偶然すんなり入れたのはラッキーだったのかもしれません。
しっかりお腹を満たしたら、外宮へお参り。
前日までの天気予報では雨だったのですが、この日も参拝中はほぼ曇り空。傘を出すことなく歩くことができました。
外宮の神聖な空気を感じながらひと回り。伊勢神宮は、いつ訪れてもピンと空気が澄んでいて、自然と背筋が伸びる気がします。 参拝を終えた後は、博物館好きの夫が興味を持っていた「せんぐう館」へも立ち寄りました。
次は内宮へ。この日もカーシェアを予約していたのですが、週末の内宮周辺は混雑しているかもと思って、急遽キャンセル。外宮前から出ているバスで向かうことにしました。
結果、これが大正解。 内宮に到着すると、マイカーの駐車場待ちの列がずらり。掲示板には「90分待ち」の文字が……! もし車で来ていたら、到着する前にぐったりしてしまうところでした。
参拝の前にちょっとひと休みしたくて、五十鈴川沿いにある「五十鈴川カフェ」へ。
このカフェでは、ミルクジャムが名物とのこと。せっかくなので、濃く入れたコーヒーにミルクジャムを加えて飲む「ミルクジャムコーヒー」を試してみました。
ミルクジャムはそのまま舐めてもおいしい! 濃いめのコーヒーに少しずつ落として、まろやかにしていただきました。モーニングではトーストにつけていただけるそうなので、次回は朝のうちに来て試してみようと思います。
五十鈴川カフェでひと息ついたあとは、せっかくなので赤福本店へも立ち寄ることにしました。 伊勢といえばやっぱり赤福!
店内には緋の毛氈が敷かれた落ち着いた雰囲気の座席があり、できたての赤福と温かいお茶を楽しむことができます。ほのかに温かいお餅に、なめらかなこしあんがたっぷり。
お店の前に流れる五十鈴川を眺めながら、しばしのんびりくつろぎました。
さて。赤福本店でできたての赤福を味わったあとは、いよいよ内宮(ないくう)へお参りに向かいます。
宇治橋を渡ると神聖な空気が一段と濃くなるような気がします。
やはりここは、何度訪れても特別な場所だなぁとしみじみ。
正宮へのお参りを終えて出口へ向かい始めたころ、ポツポツと雨が降り始めました。これまで保ってくれたお天気もついに崩れてきたようです。
お昼がまだだったので、おはらい町入口近くの「ゑびや大食堂」へ。伊勢の名物がいろいろいただけるお店です。伊勢うどんも気になりましたが、今回は手こね寿司に決定!
注文はタッチパネルで行います。手こね寿司にもいくつか種類があり、カツオの漬けが乗ったものにしてみました。
たっぷりのカツオは酢飯との相性も抜群。薬味の大葉や生姜もほどよいアクセントになっていて、最後まで飽きずに楽しめました。
美味しい手こね寿司を堪能したあとは、伊勢志摩ならではの真珠を見たくて、いくつかの真珠店を巡ることにしました。
訪れたのは、ミキモト、三和真珠、浜幸パールなどなど。それぞれに個性があり、取り扱っている真珠の雰囲気も少しずつ違います。店員さんたちも皆さん気さくで、お話を聞いているだけでも楽しい!
ふと目に留まったのは、ベビーパールの可愛いリング。繊細な輝きを放つその姿に、思わず見惚れてしまいました。 すると店員さんが「ベビーパールはほぼすべてが伊勢志摩で養殖されているんですよ」と教えてくれました。さらに「粒が小さいぶん高度な技術が必要で、希少性が高いんです」とのこと。 そんな話を聞いていると、ますます魅力的に見えてきてしまいます……! 上品で可愛らしく、小ぶりなので普段使いもしやすそう。悩みに悩んでいったん保留に。
おなかも心も満たされ、大満足で伊勢市駅へと向かいました。
夫はこれから数日間三重の地に残って仕事をするので、ここでしばしお別れ。
次に訪れるときは、また違う季節の伊勢志摩を楽しみたいな。そして真珠も今度こそ……!
そんなことを思いながら、帰路についたのでした。