いつか住みたい場所について、考えてみることがあります。
こどもの頃に憧れていたのは、海の目の前、断崖絶壁の上に立つ小さな一軒家。
母が単行本を集めていた『ブラック・ジャック』の影響によるものでした。
あるいはマリー・アントワネットが作ったプチ・トリアノン。これも母が持っていた漫画『ベルサイユのばら』より。
完全にまんがっ子です。
大人になったいま現実的に考えると、人里離れた海沿いの一軒家はAmazonなどの宅配を使うにしても、どうしたって不便なので住めないなぁと思います。
プチ・トリアノン風の家は今だにあり!だけど、普段使いにはこってりしすぎて落ち着かなそうなので、別荘くらいがいいかな。
南仏に行ったときに立ち寄ったロスチャイルド邸はまさに理想のおうちでした。
ピンクの壁に華やかで愛らしいロココ調の内装、海を望むお部屋に、ばらが咲き誇る小さな庭園。
バス停からかなり歩いたので買い物はやっぱり不便そうだったけど、ああいった豪邸は運転手さんや使用人ありきの住まいだと思うので、利便性を考える方がナンセンスなのかもしれません。
余談ですが、ロスチャイルド邸に行く途中、地元の人に道を聞いたら「2キロ(ドゥー キロメトル)くらいだよ」と言われたのですが、
ドゥー(2)を友人がじゅう(10)と聞き間違えて「ね! どうしよう10キロだって!」と焦っていたのがおかしくて今でもよく覚えています。
南仏のロスチャイルド邸から眺めるコートダジュールの海 | la carte de voyage
ちなみに、ロスチャイルド邸やプチ・トリアノンには憧れるものの、実際住むとなると、一軒家はセキュリティの不安があるのでマンション派です。(変なところで妙に現実的)
生まれてからずっと一軒家にしか住んだことがなかったので、一人暮らしを始めてオートロックのマンションに住んでみて、あまりの楽さに感動してしまったのです。
玄関の前まで知らない人が来ることがないなんて最高。お庭の草むしりもしなくていいし。
我が家はとくに夫と2人なので、窓がたくさんある広い一軒家はひとりでいるとちょっと怖いんですよね。
さらに、親戚が3階建ての家で老後登り下りで苦労しているのを見ているので、もし一軒家だとしても平家がいいなぁ……と思っています。
いま住んでいる街は、程よく都会で程よくのどかで、とても気に入っています。
少し歩けば大きな川もあるし歴史ある街並みも広がっていて、かつ都心まで20分足らずで行ける。駅まで徒歩10分もかからないのにとても静か。
駅ビルもあって買い物には困らないし、外食好きなわたしには美味しいカフェやイタリアン、フレンチなどがたくさんあるのも嬉しい。
ここまでいいとこあるかな?というほど気に入ってはいるのですが。
海の近いおうち、都心の閑静な住宅街(幸田玉さんの『小石川の家』みたいな)、リゾート地の見晴らしのいいマンションもいいかも……など、夢は広がります。
歩いて行ける範囲においしい個人経営のカフェとおいしい定食屋さん、イタリアンかフレンチ、お花屋さん、小さくてもいいからショッピングセンターと駅があって、お散歩できる水辺や緑の散歩道があれば完璧。
夢は膨らむばかりです。
いまの家がほぼ理想的な場所にあるのでなかなか難しいけど、夢見るのは自由かなと。
たとえは10年後。
どうしているかな? と考えるだけでわくわくします。